その日の放課後も、田中はなかなか帰ってこなかった。




…田中が帰りが遅いことなんて、滅多にない。




スーパーのタイムセールの時間に、全てをかけてるような男子なのに。





「遅い…」




もうスーパーのタイムセールなんて、とっくに終わってるはず。




何してるんだろ…




まさかまた、花凛ちゃんと…







ガチャンッ



と玄関の扉が開く音がして、田中がリビングに入ってきた。





「あ…おかえり。遅かったね?」



「あー…うん」




ソファに座って、ネクタイを緩める田中。





「何してたの?」




「んー?ちょっと…話してた」




「…そっか。誰と?」




「…花凛」





…やっぱり…





「つか、今日はチャーハン?」



「あー…うん。田中なかなか帰ってこないし、ありあわせで適当に作っちゃった」



「そか。サンキュ」



「うん…あ、お茶いれるね!」




キッチンでお茶をいれる準備をしてる間にも、あたしは花凛ちゃんと田中が、何を話してたのか…そればっかりが気になって。




楢崎くんと花凛ちゃんが、本当に別れたのか…




そればっかりが、気になってる。