それから一人でオムライスを食べて、お風呂に入って。
「田中〜、お風呂あいたよー!」
「…おー…」
部屋の前から声をかけてみても、そんな適当な返事が返ってくるだけ。
机のうえには、まだ手をつけられていないオムライス…。
…何かあったのかな…花凛ちゃんと。
それか、花凛ちゃんに…何か、あった?
そっと、田中の部屋の、扉に触れる。
…今、たぶん、田中はこの向こうで…
花凛ちゃんのこと考えてる…よね。
同じ屋根の下にいるのに。
この扉一枚の隔たりが、すごく遠く…遠く感じる。
誰よりも今、近くにいるはずなのに
なんだかすごく遠く…
感じるよ。