「…桐里…俺はお前を愛し尽くすと誓った身。

二人で誓いを立てよう」


「っ…は、い」


俺は霧里の、桐里は俺の、

髪の一本を交換し、

指切りげんまんをした。


破れば小指の第一関節を


切りおとされる絶対の誓い。


役者人生もそこで終了するだろう。

だが、するわけない。


「俺は桐里の男となり、

命を絶やす桐里と同時刻に俺も命を断つ」


「私は宗十郎様以外を愛せません。

どうか、私を壊して」


絶対の誓いは

千切られることは出来ない。


もしもするとき、


両方が息を吸えないからだ。