「もしも、太夫が気に入りましたらまたおいでください。 その度に小判を用意いたす」 「…承ります」 汚いやつ。 前から葵屋の秋良に良い噂はこれっぽちもなく、 犯罪に手を染めてるとか何とか。 俺もそれに手を染めさせようと? さらに奥の襖の前に立ち止まり、 「ここから先は、宗十郎殿のお好きなように」 去っていく。 「…失礼する」