「っ!!」
欲は俺の心情を代わりに現したのだ。
口付けは甘いなんて生ぬるくはせず、
溶けあいそして、
絡み付いていく。
「やめろ、宗十郎…、
霧里が怖がっている」
「お前が…止めてくれなかったら…
ぞっとするな」
桐島様の娘さんを俺が頂くなど、
恐れ多すぎて…とは
言い訳にしか過ぎなかった。
真は自分が頼りないだけの男だった。
霧里は覚悟なんて決めているはずがない。
「…宗十郎さま
…気に咎めないでください…。
私も、決心はついていないです、でも、
…恋しい人になら…と思っていますから」
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