白髭を生やした初老の主人は俺の前を歩き、 廊下のずっと奥を歩かせた。 「まだ先ですか」 「もっと先ですぞ」 溜息をこぼし、頭を下げる遊女たちに微笑んでやると、 嬉しそうに声を上げた。 全く単純で、愚かすぎる。 「霧里太夫は、まだ生娘で教えてやってください」 生娘だと? それで太夫をしているのか? とんだ茶番だ。やはりそうか、 金を払って口を美に噂をしろということなんだな。