さぞかし、桐島様を嫌ったんだ秋良は。
自分の遊女を思いを寄せていた女の娘とあらば愛して、
だが桐島様の娘と思えば恨み、
だから愛でつつ自由を奪った。
「また金魚ぐらい買ってくるさ」
「…そうではありません。
私は…あの金魚が良かったのです。
生意気ですけれど…
一時の想い出の証でした…」
何故、
平気で俺たちが喜びそうな言葉を言うのだ。
単に、“霧里太夫だから”と
決めつけてもよいはずだが、
太夫が俺たちを想う気持ちの大きさが
物語っていたかもしれない。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…