――― 晩に霧里と会って食事をしていたが、 あることに気付く。 「あの金魚はどこだ?」 「…え、あ…すみません…。 私が飼育し損ねてしまったので、 …死んでしまいました」 すこぶる嘘が出来ない霧里の嘘。 軽く頭を撫でてみれば、 子供っぽく泣いてしまうのだ。 「秋良様に取り上げられてしまいました…」 「…そうか」 「…お母様も同じ気持ちだったのでしょう…」 美しい亡き太夫も秋良に怯えて暮らしていたはずだ。