微笑ましくて笑ってしまうと 菊乃丞が俺を見て笑う。 「何笑っている」 「いや別に。 お前は兄で、太夫が妹のようだと思ってな。 恋敵も私の思う心は同様」 「そうかもな…」 金魚で遊ぶ霧里を見つめていられる時間は どれぐらい長く続くのだろう。 明日明後日で終わってしまうのかも知れなくて、 正直つらかった。 桐島様の元に連れて行って、 初めて会う親子を見せてやりたい…。