赤提燈がつられている花街を、

太夫の右手を俺で左手を菊乃丞と、

また夜に抜け出させた。


「うふふ、楽しいですね」


俺たちは娘さんに

喜ばれていることが分かり、

嬉しい反面不憫に思ってしまう。


「たくさんの人がいます!」

「そうだ、今日は祭りの日だ」



「…祭り…は

こんなに多くの人がお外に出て?」