「前々から私は死ぬつもりでした。

きっと、将来私は死にきれなくなってしまうのです」


二人に出会えたその時から…。


「無理だ、出来ない」


「それは右に同じだ、霧里。

お前は生きなくては…

その母がお前を産んだ理由にならない」


「違います。

母は、私が邪魔だったから

秋良様に売ったのです!」


「違うのはお前だ」


宗十郎様の腕が私を抱きしめて、

柔らかい口づけをしてくれたのです。