――― “桐島園の宗十郎様は凛々しくて男前で憧れよね” 夕刻と言われる時刻になれば、 土産物を使いに持たせていた姐様たちが おかえりになっていて、襖の隙間から覗いていました。 「今日も太夫目当てでいらっしゃるのでしょ。 蛙の子は蛙ってことよ」 「霧里って名前も母と同じ」 「駆け落ちして、くらませたと思えば 秋良様に泣きついてきたの」