――― 桐島園に戻った俺と宗十郎は、 昨晩のことを後悔をした。 諸に恋焦がれる宗十郎は甘い罠にかかる。 けれども俺も同じことだった。 「私たちは手の上で転がされている。 秋良はいったい何をたくらんでいる」 「…ああ。 単に霧里を手の内に置いておくだけではあるまいな」