秋良様は私を想ってくださったから。 寂しがり屋な私に、 「宗十郎様という、素敵な贈り物をいただいたからです…」 夢をおくられた。 「……そうだな」 座敷の布団に横たわった歌舞伎役者、 宗十郎様、その方は目をお閉じなさり床に眠りなさった。 綺麗な顔立ちの彼の寝顔は とても凛々しくて、見惚れてしまって…、 私を美しいと言ってくださった宗十郎様の方が数千倍も美しいです。 「…華は儚し」