どうやら、
自分は死んだと思う桐里は
全てを話した。
疑惑が確信に変わり、
桐里がさらに愛おしく思ってしまうのだ。
「吉宗様を怒らせてしまったのです。
貴方の名前を呼んでしまうからです、
正室の話を断ったので、
返事をするまで拷問を受けるぐらいなら、
死んだ方がましです」
「…悪かった。
お前にこんな辛くさせてしまうなんて」
「いいんです。
宗十郎様とふたりです。
どうせ、もう死んでいますし」
瞼を下ろした桐里に接吻しようと
顔を近づけたのだが、
「そこで何をしている」
「成敗いたす」
武士の数人が私と桐里を囲み、
徳川将軍の側室である桐里の服装で刀を下ろした。
「…主ら、逢引きか」
「宗十郎様…
ここは極楽ではないのですか…」
「…極楽だ。
だが、もう一度川に飛び込めば行ける」
「はい…。
もうたくさんです、
でも宗十郎様といられるから
忘れることにしますね」
久しぶりに笑った桐里と、
橋の手すりに手をかけ、
「命を粗末にするな…
何があったのか知らないが、
お前たちは生きなくてはならない」
と武士にとめられた。
「苦しいのです!!
吉宗様の正室を断っただけで、
拷問ばかりで…
もう耐えられないのです…」
「ならば、その男と逃げればよい…。
私らが護衛してやる」
彼らは顔を見合わせて
私たちを屋敷まで送ってくれるのだ。
最後の仏の優しさとでも言うのか。
自分は死んだと思う桐里は
全てを話した。
疑惑が確信に変わり、
桐里がさらに愛おしく思ってしまうのだ。
「吉宗様を怒らせてしまったのです。
貴方の名前を呼んでしまうからです、
正室の話を断ったので、
返事をするまで拷問を受けるぐらいなら、
死んだ方がましです」
「…悪かった。
お前にこんな辛くさせてしまうなんて」
「いいんです。
宗十郎様とふたりです。
どうせ、もう死んでいますし」
瞼を下ろした桐里に接吻しようと
顔を近づけたのだが、
「そこで何をしている」
「成敗いたす」
武士の数人が私と桐里を囲み、
徳川将軍の側室である桐里の服装で刀を下ろした。
「…主ら、逢引きか」
「宗十郎様…
ここは極楽ではないのですか…」
「…極楽だ。
だが、もう一度川に飛び込めば行ける」
「はい…。
もうたくさんです、
でも宗十郎様といられるから
忘れることにしますね」
久しぶりに笑った桐里と、
橋の手すりに手をかけ、
「命を粗末にするな…
何があったのか知らないが、
お前たちは生きなくてはならない」
と武士にとめられた。
「苦しいのです!!
吉宗様の正室を断っただけで、
拷問ばかりで…
もう耐えられないのです…」
「ならば、その男と逃げればよい…。
私らが護衛してやる」
彼らは顔を見合わせて
私たちを屋敷まで送ってくれるのだ。
最後の仏の優しさとでも言うのか。