辿り着いた先は二十畳ほどの寝室で、

目の前に光沢がある着物を並べられました。


「今私が持つものだ。

金はまた払う、

どうだ。抱けるか?」


「いいえ、駄目です。

足りません」


「…調子に乗るな、

遊女がっ!!」


「主人は代官もいくらのお金を

払ったとしても私を抱かせませんでした。

高い女を手に出来るのは、

嬉しいのでしょう?」


「…小生意気な売女め。

お前達、

私の財をこの者に預けろ」


焦っているような口付けで、

欲しがる田沼様に、


「…嘘です。

田沼様のお心で十分でございます。

代わりに…文学を教えてください」


と。


「田沼様はお客様です。

貴方様のお好きなようにお抱きください」


「…愛している…

お前は私が育てて見せよう」


「“夢”感じたいですか?」