「お前は日々怯えて暮らしておればいい。

遊女らしく、

私をこの時間悦ばせてみろ。

花魁なら苦痛ではないだろう」


「え、そんな…

でも私は吉宗様につくす身」


「逆らうのか」


「…逆らいません」


たった詰草のために

馬鹿なことをしていると分かっていても、

宗十郎様からもらった物を

失いたくなかったからでした。


「当たり前か。

逆らえば、宗十郎という男に

明日はないからな」