全て、 宗十郎様の裏切りに感じてしまうのです。 「…田沼様だめ…っ」 「何だ、 その反応は男を悦ばせるための手管か。 さすが、太夫か」 「んっゆるしてください、 全部私が悪いです!」 嘗められていく手に耐えて、 止めて欲しいことを言えなかったのです。 私は遊女ですから…。 「…桐里、 泣くほど嫌だったのか」 「すみません… でも私は宗十郎様のために 生きているのです」 「一途というか、馬鹿というか…」