「…詰草か?」


ずっと握っていた四葉の詰草を聞く田沼様、

これ以上宗十郎様の話をしてほしくないのです。


どうせ、

宗十郎様をけなしなさるなら、

言いたくはありません。


「そうです」

「どこで拾ってきた」

「土手です」


「…あの男とか」

「っ…、か、返してください!」


容易にとられてしまったそれを

取り上げられてしまい手を

伸ばしてみたのですが、

手首を掴まれて、


「返してほしければ

私と話を続けろ。

お前が囚われやすいことに納得した。

ただの遊女ではないらしい」


手の甲に口づけをされてしまいました。