「側近候補の桐里様を

傷つけては弄ぶとは、

さすが役者だな。

貴様など投獄することでさえ値しない」


「何を勝手な…

お前たちが桐里をとったのだろう」

「やめて!!

…やめてください…

宗十郎様を傷つけないで」


素直というより半ば強引に

要求を飲まざる負えない、

そして俺をかばうため桐里は微笑んで、


「どこにいようと、

私の心は宗十郎様が持っています。

私は貴方様の心をもらいました…

つながっているでしょう?」


絵島と呼ばれた女に叩かれていた。

連れていかれる桐里は

どれだけたくさんの涙を流すのか定かではないが、

想像もしたくはなかった。


どれだけ悲しいかなんて、

俺は知ることになるのだから。