走るのが遅い桐里を背中に乗せ 門から出てみれば、 「…まだその男にこだわるのか、桐里よ」 「絵島様…」 「吉宗様のご意向に背くつもりか」 「いえ…そういうつもりは …ごめんなさい!」 距離が狭まってくる武士が強引に 太夫を取り上げ、 「宗十郎様!」 「桐里!」 俺は両腕を拘束されてしまうのだ。