「宗十郎様の心を信じたくなるのは…

抗われても、好きだからですよ。

自分を偽れるかと思いました」


今さら、嫌いになることなど無理、

お前は俺を態と喜ばせているのでは、

そう思ってしまったが、


「大奥に行きたくはありません!

だって…生きたいと言えたのは、

宗十郎様のお傍にいたからなのです」



「…俺を選んでくれるのか」


「今さら遅いです」


桐里が抱きしめてくれた俺は

最高に嬉しがり、

最悪に悔やみ続けてしまうと思うのだ。