「よし、桐里。

そなたは私の一派につけ」


「え…」


「私は絵島。

月光院様に仕える身じゃ。

愚かな男のようにお前を見捨てたりはしない」


「っ…うっ…絵島さま…!」


絵島様は月光院様に仕える

上臈御年寄でいらっしゃるそうで、

泣き虫の自分を励ましてくれたのです。


「よしよし…、

誰も桐里を咎めたりはしないぞ」


宗十郎様を忘れないと。


私はいつまでも引きずるでしょうから。