「っ…きゃ…っ」
「やはり、そなたは花街から来たか」
反応で判断ができるそうで、
「それも太夫か。
悲惨な目に遭ったのか…
そなたにはそれなりの男がいたのでは」
意地の悪い姐様たちのように見えたけれど、
苦笑して優しくしてもらった。
「悪いのう、
少し意地悪をしてしもうた。
気にすることない、
天女の素性が興味深いだけだ」
「…私は契りを交わしたお人がいたのです。
けれど…捨てられてしまいました。
能無しの人形は病気にかかって早くに
死んでしまうのですから」
「どこにも行くところがないのか?」
「…ありません。
主人から殺されかけた身です…、
もう私はどこにもいけないんです」