「貴方様のお力で、

桐里さんが騙されていること教えてあげてください!

私を救ってくれた桐里さんを助けて…

役者なんて顔でお金を稼いでいるばかり、

人の心を盗んで、

金を貢がせる人間です。

花街でそだったという桐里さんが可哀そうです」


「…そなたの心はわかった。

桐里を助けよう」


案内された先には、桐島邸。

辺りから見れば百姓たちの地主だということだ。


「ご立派な…」


「お願いしますね」

と去るおりんと代わりに、

屋敷から出てくる桐里を目にする。



「…吉宗様…」



「桐里、世はそなたに会いたいと思うて」