「どうぞ」 「良いのか、お前が見つけた物だろう」 「私が見つけたから、 宗十郎様にあげるのです」 私の心は宗十郎様だけのものですから、と。 「なら、私も探そう」 菊乃丞に言われたことを覚えている。 恋人というものより、兄妹の関係に近い。 それでもいいと思えたのだ。 それが俺たちの愛の形だ。 「桐里みつけたぞ」 「早いです、さすが宗十郎様!」