とにかく必死で説得して
吉宗さまのつないだ手を強く握りしめた。
「…お願いです…吉宗さま…」
「そなたの名は」
彼が女性に名を尋ね、
彼女は緊縛しているように映りました。
この世に分からないことがたくさんあり、
あとで宗十郎様に聞いてみようと思いました。
「おりん、でございます」
「そうか、おりん…災難だった」
「吉宗さま…、この方を助けられますか?」
微笑まれた彼が私の頭を撫でて、
「桐里は天女のようだ。
国もそなたのような心を持っていれば
国民が皆安心して暮らせられるだろうに」
話し方や話の内容では本当にお偉い方でした。