「貴女様のような人には 必ず御仏様はお助けしていただけるのです。 信じましょう」 「…そういう意味だったのですね。 貴方が顔を見せなかったのは…」 うんうん、と頷いたその人が 布をまた私にかぶせました。 「逃げてください。 貴方には心に決めた男性がいるのでしょう?」 「…はい」 「その人のために逃げてください。 私は、恩返しがしたいのです」 「恩返し?何故私に恩返しなのですか…?」