「宗十郎、よく桐里を見つけられたな」

泣いて喜ぶ霧里は、

桐島様に保護された。


「愛の力と、抽象的過ぎて分からぬ」

「嫉妬しているな」

「前から前から、気に障る事ばかりを言いよる」


崩れた桐島園に野次馬がやってきては、

桐里に見惚れる人間の数に、

俺もいい気分にはならなかった。


「家内が天女だと、

先が思いやられるか?

私が代わってやろうか?」



「…遠慮する。桐里は私の者だ!」