「死んだとしても、
貴方様の胸の中で死ねるなら嬉しいです…」
「……桐里と死ねるなら、俺は嬉しいさ…」
「…でも、
好きな人が私のために死を共にするのは、
御仏様は許しません。
最高の幸せを私は感じさせてくれた貴方様には
生きていただきたいです」
「…俺は、お前なしでは生きていけない。
お前がいない世に生きる価値を感じられないのだ。
だから…共に生きよう、桐里」
無我夢中もいいところ。
一点の明るい、
青空が少しづつ広がり、
出口にたどり着いたのだ。
桐島園は天に煙を立てながら、
崩壊したのだ。