「あの男は桐島園を潰す。 花街一体もな、 ここ全て葵屋の遊郭に乗っ取られてしまう」 「ええ、私も情報をそのように受けました」 「私は、宗十郎に期待する」 「もちろん、 全力を持って御嬢さんをお守りします」 桐島様に 俺を認めてもらえたのは驚いてしまうのと、 菊乃丞が心底悲壮めいた気持ちを露わにした。 義父となる確率のある桐島様は 部屋を背にするのを見送って、 男が睨むのを目にする。