醜い女だとしたら、腹の底から笑ってやろうか。 金を払うほど、卑しい女を口だけで名の知れた遊女にしろと? 「…お待ちしておりました」 頭を伏せて正座する一人の女は 俺が入るのに少し震えて艶やかな髪を垂らす。 「太夫、顔をあげてくれ。私は客だ」 その刹那、心臓を奪われてしまった。 円らな大きい瞳に、 目鼻立ちがくっきりした天女よりもさらに美しい、 咲きかけた一輪の華。