後日、部活案内の紙が配られた。
軽音部は男女とも入部可能だ。
その帰り、香織と部見学に行った。

「案外、静かだね」

「だね」


いざ部室の前に行くと、なぜだか無音。
意外な状況に、緊張は高まる。
しばらく扉の前に立ち尽くしていたら、
後ろから声をかけられた。

「部見学だよね?」


その人は、文化祭のときのあの人だった。
あたしの胸が、1度大きく跳ねた。


「入んないの?」

「あ、入ります!」

「どーぞー」

その人を先頭に、部室に入る。
途中、香織が後ろを向いてにやりと笑った。