「もう...全然分かんない!」


私はついに痺れをきらして、
ギターから手を離した。

もっと前からギターと
出会ってれば良かった、と後悔した。


「凌先輩の歌なのに...」


せっかくの先輩のうた。

なのに、全くできない自分に
イライラする。
みんなの足を引っ張りたくはない。
でも、
できないよ......

私はギターから目を離し、
近くにあった雑誌に
手を伸ばしてしまった。