当時9歳だった秋紀は
父親が運転する車に乗り、両親と買い物に出かけた。
買い物を済ませ、家へ帰宅する途中で事故が起こった。
信号無視をしてきた車と正面衝突。
車は大破し、ガソリンが漏れあっという間に燃え広がった。
秋紀の両親は煙で咳き込みながらもガラスで秋紀が怪我をしないように
燃え広がる社内にあった毛布で秋紀を包み、窓から秋紀を外に出した。
幸い秋紀は近くにいた人に救出され、病院に運ばれた。
両親は燃え広がる車内で亡くなった。

数日後、入院する秋紀の元に訪れたのが今の父親、九條和弘だった。
彼は秋紀の父親が務める会社の取引相手だった。
九條財閥の社長で時々秋紀の家に来ては、秋紀のことを可愛いとか良い子などと言って優しくしてくれた。
彼が秋紀を訪ねてきた理由。
それは、秋紀を養女として九條家に迎えたいとのことだった。
秋紀には祖父母しか親戚がいなかったため、年に一度は会うという祖父母の要望、同意のもと九條家の養女となった。