時が経つのは早いもので、朝陽が秋紀の執事になってからもうすぐ1年が経とうとしている。
もともと相性がいい2人の信頼関係はこの1年でかなり深まった。
「はあ…憂鬱だわ…」
秋紀がボソッと呟いた。
「秋紀お嬢様は本当にダンスのレッスンが苦手でございますね。」
秋紀の髪を結いながら朝陽が笑う。
「私ってどうしてこんなに物覚えが悪いのかしら…」
秋紀がため息を吐くと朝陽はさらに笑い出す。
「そこまで笑わなくてもいいじゃない!」
「すみません、運動も勉強もできるのに何故ダンスだけ…と思うとつい…くっ…ふふふっ…」
「朝陽っ!いつまで笑っているの!?」
謝ってはいるものの、ずっと笑い続ける朝陽に秋紀はもう一度ため息を吐いた。
1年近く経ってもダンスが上達しなかった秋紀は、夜中にこっそりと1人でダンスの練習を始めたのだが…