「やだ私ったら…朝陽に何を話してるのかしら。ごめんなさい、暗いわね。忘れてね。」
秋紀が振り返ると、朝陽は少し悲しそうに微笑んだ。
「いえ、秋紀お嬢様が美人なのはお母様の、運動神経がいいのはお父様のお陰なのでしょうね。きっとお優しい心はご両親から受け継がれたのでしょう。」
そう言って朝陽は秋紀の横にしゃがみ、お墓に向かって手を合わせた。
秋紀…いや、秋紀お嬢様は俺が守ります。ご安心してください。と口には出さずに秋紀の両親に話しかけながら。