麻耶は明日から実家に戻ると言うので、今日が終わったら2年近く会えなくなる。
少し寂しくなるけど、また戻ってきてくれるのだから
その時まで待っていよう。笑顔でおかえりって言えるように。と秋紀は思った。
「ん?とういうことは…」
麻耶が帰ってくるまで、私のお世話係は朝陽だけってこと?
秋紀が聞くと麻耶は普通に頷いた。
途端に秋紀は恥ずかしくなった。
今まで着替えとかを手伝ってくれていた麻耶がいなくなるということは
着替えを手伝うのが朝陽に代わるということだ。
「わ!私だって17歳の女の子なのよ!?」
「へ!?はい、それはわかっていますけども。」
「歳の近い男の人に着替えを手伝ってもらうなんて!!」
秋紀が叫ぶと麻耶は一瞬呆気にとられた後、クスクスと笑い出した。
「さすがに年頃の女性にそんなことはしませんよ。着替えだけは今まで通りメイドがお手伝いします。」
秋紀の発言が本当に面白かったのだろう。笑い続けながら言う。
「着替えだけですけども。」
つまり、食事や用事などの付き添いは朝陽がするということだ。
「なんだか不安だわ…」
秋紀はそう呟いた。
それに対して麻耶は、そんな心配はなさらなくてもあの人なら大丈夫ですよ。と返した。