「ふぁ…」
いつもの朝が来る。
「おはようございます、秋紀お嬢様。」
「おはようございます。秋紀お嬢様。」
今までと違うことは、起きてすぐに聞こえる挨拶が2つになったということだ。
「おはよう。麻耶、朝陽。」
朝陽が秋紀専属の執事となって早くも数日が経つ。
執事と言っても本来の仕事は、秋紀の護衛だ。
「お嬢様。」
麻耶が声をかける。
「ん、何?」
「朝食の後、少しお時間頂けますか?」
申し訳なさそうにする麻耶に秋紀はいいわよ?と言う。
昨日から冬休みになったので午前中は用事がない。
麻耶は深々とお辞儀をして、秋紀の着替えの用意を始めた。