鈴香は、口説かれていて、
真っ赤になっている。

ったく………。

鈴香は光の物になったのかよ?


───ふざけんなっ。

俺はあいつに一目惚れしたんだ。
絶対に奪い取る…


何故かそんな感情に
陥っていて……


俺は、気づいたら
鈴香の腕を引っ張って
抱きしめていた。

「ゆ、裕樹……!?
は……はなしてよっ……!」

鈴香は、最初から顔が赤かったが、

それよりもっと
顔が赤くなっていった……。


顔赤くなるなんて、

『もっと、抱き締められたい。』

・・・とかって思ってんだろ?

心の中の声駄々漏れだぞ。鈴香。

だから、俺はからかうために、

「どーせ、俺に
抱きしめて貰えて嬉しいんだろ?」

と言った。

鈴香は、

「っ!!ちが…違う…….」


さらに真っ赤になって、
俯いてしまった。


光は、俺を気遣ったのか、

「やだなー☆狙ってたのにっ!
じゃあ、ごゆっくり〜っ♪」


と手をひらひらと振りながら
去って行った………。

あいつ絶対に諦めてねぇよな。
絶対に取られないようにしてやる。

そう思っていると、
鈴香を抱きしめていた力を
緩めていた俺から逃げて、


「何よっ!もう、触れないでって
言ってんじゃ………。」


───ドサッ。
鈴香が、倒れた。


「鈴香!?鈴香っ……!」

俺がいくら鈴香に声をかけても
鈴香は、声を出さなかった………。


おでこに手を当てると
ものすごく熱かった。

こいつ、熱出してるし、
風邪だったのかよっ…。


とにかく俺は、
看病するために
鈴香の部屋に向かった………。