「止めなさいよ、変態!」
「はいはい。じゃあ最後に一回」
チュッっと音をたてて触れるだけのキス。
伊織はやっぱりずるい。
あんなキスされた後じゃ、物足りない。
「葵顔赤いよ?」
「別にいいでしょっ」
「クスッ。じゃあ行こうか」
伊織がさりげなく手を繋ぐ。
普通のつなぎ方から恋人つなぎに変わって。
私の指を絡め取った伊織の手は更にギュッと力を入れて握る。
こういうのは付き合う前からもやられているけど慣れない。
いかにも恋人ですって言うこの雰囲気は私には無縁のモノだと思ってたから。
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