「ホントごめん」



いつもの俺様な態度とは違い、萎れた伊織に戸惑いを隠せない。


彼は今回のことをきちんと反省しているらしい。



「許してあげてもいい。その代わり…」


「その代わり?」


「あの人のことちゃんと教えて」


「あぁ」




伊織が謝ってるんだから「いいよ」って言えばいいのに。我ながら可愛くない。


でも、あの女の人のことちゃんと知りたいし。



想いを伝えようって決心してきたのに、伊織とあの人のキスシーンが脳内に焼き付いてる。


嫉妬で決意が鈍りそうだ。