見られないようにうつむかせていた顔をのぞき込んだ美桜は私の手を引いて屋上に連れて行った。
屋上に行くのに一番近いのは伊織の教室の前を通って行く道。
だけど美桜はわざわざ遠回りをして、彼の教室を避けてくれた。
今は4時間目前の休み時間。屋上には誰もいないはずだ。
「ムリにとは言わないけど話して欲しいな。葵今にも泣いちゃいそうだよ?辛いことがあったんならなんでも相談に乗るから。だって親友でしょ?」
私を抱きしめながらそう言ってくれる美桜。
その気遣いに涙腺が崩壊した。
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