驚いて右手を見ると、枢伊織の手に握ら
れていた。



しかも指を絡め合う恋人つなぎ。




「ちょっと!なに手繋いでるのよ?」


「だって、お前こうでもしなきゃ逃げるだろ。絶対に逃げないって言い切れるなら放してやってもいいけど?」




逃げようとしてただけに、言い当てられてむかつく。


いつでも上から目線だし。



「あんたには関係ないでしょ。別に送ってくれなくていいから」


「そう言うわけにもいかねぇんだよな。お前帰り方わかんねぇだろ」


「……わかるわ」