「あの子、幼い頃から遠慮深くてね、素直な気持ちを口にするのが苦手な子だったの。それは大きくなってからも。だから、やっと素直にありのままの自分でいられるひとと出逢えてよかったわ。
…あの子と...笑美と出逢ってくれてありがとう」
ゆっくりと頭を下げられて、慌てて返す。
「いえいえ、とんでもない!笑美さんを生んで育ててくださってありがとうございます。」
「ふふふっ。これからもあの子をよろしく頼むわね」
優しい眼差しで微笑まれる。
"母親の微笑み"というのはこんなにも綺麗なのかと思った。
「はい、勿論です!責任持って幸せにします」
「あらっ、今日はその挨拶もしに来たのっ?」
「えっ、あ、えっと...」
「冗談よ~!あ、でもっ早く孫が見たいって言うのは冗談じゃないからね!早く見せてねっ?」
「……出来る限り頑張ります」
「えぇ、何人でもいいわよっ★」
……ただ、今の笑みは少し...ほんの少し恐いような気がした...。
う~ん…何人でもって言われてもなぁ...?