「田邊くん、あなたから見て笑美はどう?」
「そうですねぇ...」
俺の知ってる、一緒にいる時の畑辺を頭の中に思い浮かべる。
「すっごくお人好しです。」
「あらま...」
驚き顔のお義母さん。
し、しまったー!!!
「すみませんっ」
「ううん、続けて続けてっ!」
もっと聞きたいという好奇心の目を向けられる。
「はい。ほんと、すっごくお人好しで優しくて、甘えないし、弱音吐かなくて、泣かなくて、タフで...」
「そう...」
ガッカリしたように目線を落とすお義母さん。
確かに、4日前まではそう思ってた。
俺のことなんてどうでもいいんだな、って。
「でも!本当は違いました。お人好しで優しいのは本当です。でも、弱音吐かないし泣かないからタフだ...なんてのは大間違いでした。」
スッと息を吸い込んで続ける。
「本当は、感受性が豊かで、それ故に誰よりも傷付きやすくて涙もろい。
甘えないなんてのは俺が本当の笑美さんを知らなかったから。甘えようにも甘えられないような状況を俺は作ってしまってたんです。」