ティーカップに注がれた紅茶を頂いていると、
「田邊くん、ちょっと訊いていいかしら?」
にこやかな顔で尋ねられた。
「はい、答えられることならば答えます。」
「じゃっ、遠慮なく!」
何故だか一呼吸置くお義母さん。
……なんだか嫌な予感がするんだけど。
「孫はまだかしらっ♪」
「ごほっ...えほっ...お、お母さんっ?!」
……あのー、実の娘がむせましたよお義母さん。
「だって~、早く見たいじゃなーい!あなたたちの子なら絶対可愛いに決まってるでしょー♪」
「だからって、それはいきなり過ぎるでしょっ!大体、まだ結婚もしてないのに子供なんて……」
うんうん。
その通りその通り!
「いいじゃない別にー。今ドキ、『デキちゃった婚』だって~!」
畑辺のお義母さんはかなり色んなことにルーズらしい。
「いーやっ!今ドキとか関係ないからっ!」
「ぶぅ~じゃあ早く結婚しなさいよー!そして子供作ってちょーだいっ」
う~ん…なんか今日は本当に俺空気じゃん……。