「会長…」

「太田君…」

太田君はドアを開けて待っていてくれた。

「あのね…伝えたいことがあって来たの」

「うん。さっき言ってたもんね」

「あたしは…嘘つきで強がりで…どうしようもないくらい……………………太田君が好きなの」

「会長…」

「あたしは…信じたくても信じられない人なの。でも、あたしが太田君を好きな気持ちだけは、信じたいの!」

例えば…この世界に太田君にそっくりな人が沢山いたとする。

容姿はそっくりだけど…中身は全然違う太田君が。

どんなに好みでも、どんなにカッコよくても…あたしには、この太田君しか好きになれないの。

「それくらい…好きなの!」