「だって、信じたいけど…」

「信じられないって?馬鹿だわ」

「うっ…」

弟と話してるのに何でこんなに緊張するの!?

「だって、あたしなんかより可愛い女の子に抱きつかれてたし…。嬉しそうだったし…」

だんだん、声が小さくなっていく。

「それがどうしたの?好きなら好きっていいなよ!」

「でも!」

「でもじゃない!好きな人に好きって伝えられるのがどんなに幸せか分かる!?」

春の必死な声に胸が痛くなる。

「好きなら好きって伝えて来い!太田さんが他の人に目移りして、後悔しても遅いからな!」

春はそう言うとあたしを家から追い出した。