絞り出したその声。
足が鉛のように重たくて、一歩動くのがやっとだった・・・・・・。
そして、吸い込まれるように俺が手に取ったのは、母さんの手・・・・・・。
に握られた包丁だった。
血・・・・・・血が、ついてるよ?
―――ポタポタ
流れ出す雫を拭うと、視界が真っ赤になった。
目に、母さんの血がついたんだ。
母さんの顔の色も、だんだん死んでいく・・・・・・。
『ひどいよ・・・・・・母さんも、父さんも・・・・・・』
震える声で僕は呟いた。
だって、僕を置いていくんだもん。
『僕を、置いてくなんて・・・・・・』